【大阪・関西万博】[12]ブラジルが描く空の未来、エンブラエルの持続可能な航空への挑戦

2025年大阪・関西万博で注目を集めているのが、ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)が展開する「ブラジル館」だ。
5月24日(土)と25日(日)、ブラジル館の多目的ルームでは、世界的航空機メーカー・エンブラエルの革新的な取り組みを紹介するビデオが上映され、来場者の関心を集めている。
このビデオは、「未来のコミュニティとモビリティウィーク」の一環として制作されたもので、エンブラエルの航空機が10秒に1機のペースで世界のどこかから離陸している様子や、年間1億7千万人もの旅客を輸送している実績が映し出される。
なかでも注目は、環境性能に優れたE-Jetシリーズ。
1座席あたり最大30%のCO₂排出削減を実現しており、静音性にも優れた次世代機として脚光を浴びている。
5月23日には、ApexBrasil主催のセミナー「エネルギー転換におけるブラジルの役割と持続可能なモビリティの未来」が同館で開催され、エンブラエルのゼロエミッション責任者、ヴィニッシウス・ディ・ヌッチ・ペレイラ氏が登壇。
注目のeVTOL(電動垂直離着陸機)プロジェクトについて語った。

「eVTOLは都市の移動に革命をもたらします。サンパウロ中心部からグアルーリョス国際空港まで、これまで2時間かかっていた移動が30分に短縮されるのです」と、ディ・ヌッチ氏は説明。
現在、2,800件を超える購入意向が確認されており、実用化が目前に迫っているという。
eVTOLは、旅客だけでなく貨物の輸送手段としても期待されている。
さらに、彼はSAF(持続可能な航空燃料)の将来性にも触れた。
「ブラジルのSAFは、航空業界の未来を変えるポテンシャルを秘めています」。
ブラジルは1980年代からエタノール燃料の使用において世界をリードしてきたが、SAF分野ではこれからが本格始動の時期だという。
「私たちの目標は、ブラジルがSAFの主要生産国となり、エネルギー転換の鍵を握る存在になることです」。
ビデオの終盤には、ブラジルと日本の深いつながりを象徴する鳥居が映し出される。
この鳥居は、エンブラエル本社があるサン・ジョゼ・ドス・カンポス市に設置されたもの。
2025年は日伯修好通商航海条約130周年という節目の年であり、ブラジル館でのこの演出は、両国の未来志向の絆を印象づける。
未来の空へ──エンブラエルは、ブラジルの技術と情熱を翼に乗せて、持続可能なモビリティの実現に向けて飛び続けている。











ApexBrasil(ブラジル貿易投資振興庁)

2025年大阪・関西万博のブラジル館を担当するApexBrasil(ブラジル貿易投資振興庁)は、ブラジルの製品やサービスの海外展開を支援し、戦略的分野への外国投資を誘致することを目的とした政府機関だ。
同庁は、商談ミッション、ビジネスマッチング、国際見本市への参加支援、外国バイヤーや有識者のブラジル産業視察など、多様なプロモーション活動を行っています。また、戦略的分野への外国直接投資(FDI)誘致にも取り組んでいる。
2024年、ApexBrasilは過去最多の20,596社のブラジル企業を支援し、そのうち54%は中小企業だ。
支援を受けた企業のうち4,678社が輸出を行い、その総額は1,415億米ドルに達し、ブラジル全体の輸出額の42%を占めている。

Expo 2025 Osaka・ブラジルパビリオンで、未来への“出会い”と“気づき”がきっと見つかるだろう。

会場:夢洲・ブラジルパビリオン

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