サルヴァドールの北300km、静かな州都、アラカジュ「ブラジル特報」2025年11月号
アラカジュ Aracaju
石油産出州(陸上油田+海底油田)としても、オレンジ産出州(ブラジル第3位)としても知られる北東部セルジッペ州の州都がアラカジュである。
といったところで、アラカジュってどこにある?と、サンパウロあたりのブラジル人に聞いても、正確に地理的な位置を指摘できる人は2割もいないだろう。

アラカジュ、マセイオ、ナタール、ジョアンペッソアといった北東部の州都の名前や場所を間違いなく言えるのは、さらに少ないだろう。
そんな知名度の低いアラカジュは、実は結構魅力的な都市なのだ。
南隣のバイーア州の州都サルヴァドールから300kmほど北上したところに位置するアラカジュは、海岸線に面した観光地と見られるのが一般的であるが、ブラジルの都市計画の歴史に関心を有する人たちには、「都市計画で創られた最初の州都」として有名である。

19世紀前半までセルジッペ州(当時はプロヴィンシア=県)の都は内陸部のサンクリストヴァンであったが、当時の帝政期の政府は、海上交易もできるところに新県都を創設すべきと専門家に都市計画を検討させることになり、その結果、1855年に創設されたのがアラカジュであった。
計画都市であるから、南北の通りと東西の通りが直角に交差した、いわゆる「碁盤の目」の街となっており、日本なら京都や札幌に似た街並みが連なっている。
また通りの名前には、主な州、都市、国の名前がつけられており、アラカジュ住民の住所は、「リオグランデ・ド・スル通り何番」や「パライーバ通り何番」といった具合である。
アラカジュの市内地図を眺めていると、メキシコ通り、カナダ通りもあれば、レシーフェ通り、サンタカタリーナ通り、ポルトアレグレ通りもあり、ブラジル全国各地の縮約版のようで面白い。

アラカジュの食文化に目を向けると、やはり海鮮料理がうまい。
有名なのは、カランゲージョ(マングローブ蟹)。
ココヤシミルクや香草類で煮込んだカランゲージョが丸ごと供されるので、一緒に配られる木製トンカチとミニまな板で固い殻を叩きながら、肉をほじくっていく作業に熱中すると、皆無口になる。あるいは、カウジーニョ・ジ・アラトゥ。
アラトゥとは小型蟹で、日本のシオマネキとそっくり。
この脚肉を集めてココヤシミルクをベースに煮込んだスープは絶品だ。
岸和田仁(『ブラジル特報』編集人)

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