【新連載】「サンパウロでなにする?」ひろたんのブラジルあれこれ1


日本から一番遠い国、ブラジル。
どうしても飛行時間がおのずと長くなりがち。
乗り継ぎ方法だけでも選択肢がいろいろ。
ブラジルを旅するなら、知っておきたいちょっとしたTIPSを、サンバを通じて長年ブラジル愛に魂を燃やしている
ひろたんが6回に渡ってレポートします!

2023年12月28日 日本からブラジルへ

ブラジルに旅立つ理由

先のパンデミックの間、誰もが行きたいところに行けなくなった。
会いたい人にも会えず、会食も控えた。
やがてコロナも落ち着き渡航の制限が緩和され、ブラジルに入国する際も陰性証明・ワクチン証明書が不要になる。
もうよかろう!会いたい人に会いに行くんだ。
私はブラジル行きのチケットを買った。
行くのは2023年12月仕事納めの日だ。
その人はサンパウロに住んでいたので、南米一の大都市サンパウロに絞った。

出国に向けての準備

さあ羽田空港、12/28深夜、正しくは12/29 0:05出国のために私は19:00に羽田到着。
5時間後のフライトに向け、いまや遅しとイスに座り、感慨にふけっていた。
ここまで来るまでのバタバタぶり。
仕事は横に置くが、母を預ける施設とのやり取り、慣れない土産物(柔道着)の調達。
外国で体調が悪くなったらいけないと健康診断を受け、クレジットカードを1枚しか持っていないことに気づき、慌ててもう1枚作成、それがクリスマスだった。
銀行からはもう無理ですと鼻で笑われたがなんとか作ることができた。
後述するがカードは複数持つことを勧める。
そしてこれも友人からのアドバイスだったがカード会社への電話連絡。
「不正使用防止のためお電話したひろたんです。〇日から〇日までブラジルにいます」というこの作業もそれなりに面倒だったがやっておいてよかったと思う。

羽田での出来事

12月は忙しかったがここまで漕ぎつけた。
あとは出国を待つだけ。
空港の掲示板を見ると、ドバイ行きが95分遅れと出ている。私の行き方は、
羽田→ドバイ→サンパウロだ。
元々ドバイでは2時間待ち、すぐにサンパウロ行きの飛行機に乗る手はず。
95分の遅れなら走ればなんとかなるか、わっはっはー羽田でなに食べようかなぁと空想に浸っていたところ、「あ!ひろたん!」と北海道札幌市に住むサンバ友人M君が目の前に。

「道産子がここに!どしたの?」

「僕もブラジルに行くのでひろたんと同じ飛行機に乗るんですよ。だけどドバイ2泊になりそう。いまスマホで“世界の歩き方ドバイ”を見てるところです」

「え?どういうこと?」

「僕の乗るリオ行きの飛行機は、僕がドバイ到着する頃にはもう出ちゃってるんです。で、次のリオ行きは翌々日のフライトらしいので、ドバイで遊び倒そうと思って」

「そっかー大変だねー。私は走ればなんとかなると思う」

と呑気にまだ羽田で何を食べるかに気が向いていた。
4年ぶりの海外旅行(前回もブラジル)ということもあり、出国手続きの仕方をすっかり忘れていた。
大したことではないが順序立てて書いてみる。

まず空港に到着したら

①掲示板にて自分の乗る飛行機を確認する。遅延のお知らせはここに載る

②航空会社のカウンター(私はエミレーツ)を探し、並ぶ。そこで「パスポート」「eチケット」の紙を渡す。
先方から紙のチケットが渡される。預ける荷物はここで託す。
私は手荷物(リュック)1個のため預けなし。

③出発カウンターに入る。ポケットからすべての物を出し⇒手荷物に赤外線を通す⇒大きなドア(のようなもの)をくぐる。

④パスポート専用の機械に自分のパスポートの顔写真部分を載せる。
ここだけは職員がおらず、カメラがじっと私を見ている。

③④は10分程度で終わった。OKが出ると香水がムンムンする免税店が待つ。
(すでに出国した気分!)

Photo:o-dan

ドバイに到着

さて、約12時間のフライトを経て、ドバイに到着。
M君とは違い、私はすぐにサンパウロに乗り継ぐ。
その飛行機に乗るためとにかく走ろうとした。
と言っても生まれて初めてのドバイ・・足が震えていた。
アラビア語はもちろん英語もよくわからない。

まさかの出来事

誰かが「São Paulo A8」と書いた紙を掲げている。
M君が「ひろたんA8だ!!」と叫び、
私は「オッケー!じゃあ次は札幌で!」と札幌での再会を約してA8に向かった。
しかしそのAが遠い。
エレベーターやシャトルを乗りつぎ、走りに走ってやっとたどり着く。
予定より5分オーバーしているけど大丈夫?がカウンターはすでに片付けられ、帰ろうとしていた職員がひとりだけ。

「残念ながらサンパウロ行きの飛行機は出てしまいました。
東京からの便が遅延だったんですよね。
ホテルと次の飛行機を用意しますので、○○カウンターに行ってください」このたったひとりの職員さえいなかったらどうなっていたか。
いやどうにかなるんだよ!怒りにも似た活気がみなぎり、この〇〇カウンターとやらを探し始める。
空港はやたらと広く途方に暮れる。
しかし今回私みたいな人が多いわけだからと人だかりがしているカウンターを冷静に探すとすんなり見つかった。
そして翌日のサンパウロ行きのフライトを取ってくれ、ホテルについては××に行けとのこと。
××というのはホテル行きのバス待合室のことでそこに到着すると「ひろた~ん!」と呼ぶ声が。
M君が「また会えましたね!」とニヤリ。
再会はすぐに訪れた。
私「なんちゅうホテルかわからないけどチケットくれたからなんとかなりそう」
「僕もです。エミレーツにかけあったら2泊分のホテルと航空チケットをくれました」
「よかったよかった。では次こそ札幌で」と。
ホテルが用意したマイクロバスに私が先に乗りこみ、別れを告げる。

偶然の偶然


が意外にもと言うかやはりと言おうか、行った先のホテルでまたM君に会う。
あとで気づくがエミレーツ航空系列のなかなかの高級ホテルだった。

「朝昼晩のホテルの食事が付いてますよ!まずは食べましょう!」とM君に教わりレストランに向かう。
緊張状態が続いていたため食事のことまで気が回っていなかったが、このビュッフェ形式の食事はすべてが美味しく、食べるためだけにまたここを訪れたいほどだった。
「これを逆手に取り、遊び倒す」と宣言していたさすがのM君はホテルで見つけたドバイの市内観光のバスを予約、私も着いていくことにした。
そのバスの出発時間までに私はサンパウロで泊まるはずだったホテルをネットでキャンセル、ブラジルの友人にも報告。
広いバスタブでシャワーを浴び(あとでこれがうらやましく懐かしくなる)、窓から見えるプールを眺めた。
ブラジルは本当に遠い・・。

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