【大阪・関西万博】[22]猛暑の大阪万博、ブラジル館では多彩な熱中症対策を実施


大阪・関西万博のブラジル館では、命と地球のつながりをテーマにした壮大なインスタレーション展示が来場者を迎えている。
気温上昇が続くこの夏、スタッフと来場者の健康を守るための「暑さ対策」も着実に進められている。

70体のインフレータブルが描く「人と自然」の未来

EXPO 2025大阪・関西万博のブラジル館では、ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)の主導で、「持続可能性を受け入れ、人生を謳歌する(Viver a Sustentabilidade)」というテーマのもと、五感を刺激する展示が展開されている。

第1展示棟では、自然と人間のつながりを象徴する約70体のインフレータブル(空気で膨らむ造形物)が浮遊。
舞台芸術家ビア・レッサ氏の演出により、展示空間は5つのシーンに分かれ、まるで演劇の一幕のように変化していく。

来場者の目を引くのは、奥に設置された巨大スクリーン。
ここでは、Worldometerのリアルタイムデータをもとに、「本年度に失われた森林面積は200万ヘクタール以上」「同じく肥沃な大地も200万ヘクタール以上」といった、地球温暖化に関する警告が映し出されている。

ブラジル館が実践する「命を守る」暑さ対策

猛暑が続く日本の夏。ブラジル館では、来場者だけでなく、スタッフの体調管理と安全を第一に考えた独自の熱中症対策が徹底されている。

館内のオフィスには、日本気象協会が推奨する「熱中症が疑われるときの応急処置」が掲示され、塩分補給ができる飴や水、冷却ネックリングなどの備品も常備。
勤務中の水分補給は時間に関係なく自由に行えるようになっている。

アンバサダーの原享平さんは「『自分の体調を最優先に』と、いつでも水分補給できる環境が整っています」と話す。警備員の前田実さんも、「屋外と室内を交代で担当するシフトになっている」と、無理のない働き方が実現していることを明かした。

また、アンバサダーの北山礼於さんは、個人的な対策として「毎日ブラジル館前のフードトラックでアサイースムージーを飲んでいます」と、ブラジルらしい方法で暑さに備えているという。

アサイーで涼を取る——フードトラックも人気

ブラジル館前には、来場者も楽しめるフードトラックが登場。
アサイースムージーやブラジルコーヒー、フレッシュジュースなど、熱中症対策にも一役買うブラジルの味が揃っている。

夏の暑さを乗り切るために、アサイーのような栄養価の高いフルーツを日常に取り入れるのは、ブラジル流の“ウェルネス”なのかもしれない。

熱中症を防ぐために、いま知っておきたいこと

ブラジル館では、日本の厚生労働省による熱中症予防ビデオのQRコードも配布されており、誰でもスマホで簡単に予防法を学べるようになっている。
以下のポイントは来場前にチェックしておきたい。

・暑い日に汗が出ないときは、すでに危険信号
・屋外での活動は、短くても休憩をこまめに
・汗をかいたら、スポーツドリンクを少しずつ飲む
・めまい・吐き気・発熱などの症状が出たらすぐに対応を

厚生労働省の熱中症予防動画はこちら

万博は未来を語る場であると同時に、「いま」を生きる私たちがどう生きるかを問う場所でもある。
展示と同様に、ブラジル館の暑さ対策からも、命と向き合う姿勢が伝わってくるのではないだろうか。

Expo 2025 Osaka・ブラジルパビリオンで、未来への“出会い”と“気づき”がきっと見つかるだろう。

会場:夢洲・ブラジルパビリオン

最新情報はInstagram

1冊でわかるポケット教養シリーズ リアル・ブラジル音楽
ウィリー・ヲゥーパー (著)

Amazonで購入

オススメの記事