【大阪・関西万博】[32]ブラジル館で「女性起業家交流セミナー」開催
2025年大阪・関西万博のブラジル館において、「女性起業家交流:エンパワーメントと経済的自立」と題したセミナーが開催された。
このセミナーでは、ジェンダー不平等による影響を軽減するため、すでに行われている職業的・社会的な取り組みを紹介。
このテーマは、2024年にブラジルで開催されたG20でも主要な議題として取り上げられており、万博に参加する各国へ広がる可能性が期待されている。
議論の中では、人種的・グローバルな多様性についても深く取り上げられた。
今回のセミナーは、外務省や女性省、農業開発省、家族・農業省、女性起業家ネットワーク、W20、国連女性機関(UN Women)など、ジェンダー分野に取り組むブラジルの諸機関とも連携し、万博における「女性ウィーク」を構成する他のテーマとも密接に結びついている。
世界的視点からの課題と取り組み
世界経済フォーラムが発表した「2025年グローバル・ジェンダー格差報告書」によると、完全なジェンダー平等の達成には123年を要するとされている。
ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)のビジネスディレクター、アナ・パウラ・ヘペーザ氏は、この課題について言及する。
ApexBrasilは2023年に「女性と国際ビジネス」プログラムを導入して以来、積極的な変革を進めており、この取り組みは国際的にも高く評価されている。
2024年にはWTOの国際貿易センター(ITC)から「WTPOアワード―輸出開発イニシアチブ優秀賞」を受賞し、2025年には「貿易におけるジェンダー平等賞」を授与されました。
このプログラムは女性起業家の海外市場進出を支援するもので、トレーニングやメンタリングを通じて参加者を後押ししている。
直近の募集では40枠に対し400件の応募があり、今後も新規募集が予定されている。
各国の女性リーダーの発言
アナ・パウラ氏は「輸出企業は高い給与を支払い、より多くの雇用を生み出し、危機にも強いことが研究で示されています。高収入の女性は自らのビジネスに投資し、それが教育や生活の質向上、国際的な影響へとつながります」と強調する。
モデレーターを務めたW20代表団メンバーのジャナイナ・ガマ氏は、「私たちはジェンダー平等のために団結しており、ともに世界を変えることができます」と呼びかけた。
また、ブラジル銀行初の女性ゼネラルマネージャーとなったアンドレア・スカルダフェリ氏は、2030年までに上位管理職の半数を女性にする目標を紹介し、すでに15億レアル規模の投資が実現していることを報告した。
日本からは笹川平和財団の松野彩香氏が登壇し、日本人女性が短い睡眠時間と男性の7倍の家事負担を担っている現状に触れ、資金ファンドを通じた女性起業家支援の重要性を訴えた。
さらに、スロベニア代表団のサーシャ・レバン氏は、「関心さえあれば、私たちは学び、素晴らしいアイデアを生み出せます。しかし、自ら扉を開く準備をしなければ機会にはつながりません」と聴衆を励ました。