【大阪・関西万博】[42]ドキュメンタリー映画「波の砕ける場所」が⽇系ブラジル⼈の物語を描く


ドキュメンタリー映画「Onde as Ondas Quebram(波の砕ける場所)」は、⽇系ブラジル⼈の歩みを描いています。
はじまりは、1908年に始まった⽇本からブラジルへの移⺠です。
その後、「デカセギ」と呼ばれる社会背景により、ブラジル⼈が⼯場で働くために⽇本へ渡る逆の流れがやってきます。
このドキュメンタリーは、10⽉7⽇までブラジル館で上映。
監督はイナラ・茶屋道⽒で、彼⼥は⽇本に来たことをきっかけに研究を始めました。
彼⼥⾃⾝も、ブラジルでは「⽇本⼈」と呼ばれ、祖先の地である⽇本では「外国⼈」と呼ばれるジレンマに直⾯しました。
映画には、9歳からコットン、野菜、⽶などの収穫に従事してきたイナラの祖⺟が登場します。
彼⼥は「サンダルもなく、草の上を⾶び跳ねていた」と語り、「本当にたくさん働いた」と打ち明けます。
⼀⽅で、⼩さな家庭菜園を⼿⼊れして、トウモロコシ、キャッサバ、ビーツなどを近所の⼈と分け合うことは嬉しかったとも語ります。
イナラの曾祖⺟は、⽇本であらゆるものが乏しく、⾷料も不⾜していた時代に⽇本からブラジルへ移住しました。
映画にはイナラの⽗親も登場します。
彼は⽇本に働きに来ましたが、⼿に後遺症を抱えてしまいました。

この家族のドラマは、多くのブラジル⼈が⽇本で直⾯する現実を映し出しています。
⽇本⼈がブラジルへ移住したときと同じように、富や保証された未来という夢は、ブラジル⼈にとっても遠のいていくのです。

来場者コメント

⽇本とブラジルのつながりを描いた映画は、来場者からも⾼い評価を得ています。

栃⽊県から来場した浪岡璃奈⽒は、「多くの⽇本⼈がブラジルへ渡った話は聞いたことがあるが、実際にどのような暮らしをしていたのかは知らなかった。今もなお苦悩を抱える⼈々がいることを知り、理解が深まった」と語りました。

また、神奈川県から来場した邊⾒優⾹⽒は、「それぞれにルーツや背景があり、⾒た⽬だけでは分からないことが多い。今は楽しく過ごしているように⾒えても、その裏に多くの苦労があると知り、とても勉強になった」と述べ、
⽇系ブラジル⼈が抱えるアイデンティティの問題に強い関⼼を⽰しました。

日程:10月6日、7日
時間:17時~18時30
場所:ブラジル館
予約:https://www.eventbrite.com/o/brasil-pavilion-113022319641

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