【大阪・関西万博】[36] ブラジル館でブラジル人と日本人によるアートを紹介

写真:ApexBrasil
ブラジル人と日本人のアート、そしてアーティストの価値を高め、広く発信することを目的としたイベントが、ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)が運営するブラジル館で開催されている。
この展示は20日に始まり、21日まで一般公開される。
日本の外交関係樹立130周年という節目の年

写真:ApexBrasil
このイベントは、両国をつなぐ多様な文化的作品を紹介するものであり、ブラジルと日本の外交関係樹立130周年という節目の年に実施されている。
作品は、ポルトガル語と日本語で78ページにわたり編纂された「ブラジルと日本の文化作品集」という出版物にまとめられている。
ブラジル館の館長パブロ・リラ氏は「このイベントは、永遠であるブラジル・日本間の友好の130年を祝う特別な意義を持っています」と強調。
作品集の制作は、デボラ・アカマ氏、エリカ・ハギモト氏、チサエ・サネフジ氏によるものである。
「これは重要なつながりをもたらすイベントです。各アーティストが主役で、この作品集は過去・現在・未来をつなぐ架け橋です」とデボラ氏は語った。
エリカ・ハギモト氏は「真の豊かさは、世界の対話の中から生まれるものだ」と述べた。
さらにチサエ・サネフジ氏は「この文化作品集は、アーティストと各機関がともに努力したことで生まれた、統合と希望の表現です」とコメントした。
イベントには、「ブラジル女性グループ」のメンバーで実業家のチエコ・アオキ氏もサプライズゲストとして参加した。
「この文化作品集は、ブラジル人、日本人、そして日系ブラジル人のコミュニティにとって、前例のない重要なものです」と彼女は語った。
カポエイラのパフォーマンス
20日(土)には、アレサンドロ・ジョゼ・ダ・シルバ氏によるカポエイラのパフォーマンスが披露された。
彼は15年間にわたりこの格闘技アートに取り組み、日本では機能回復運動や音楽性、健康促進を統合した「カポエイラセラピー(Capoterapia)」として活動を拡大している。
カポエイラのホーダ(輪)は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)により人類の無形文化遺産に登録されている。
ミシェリ・コスタ・ダミアン・アキヤマ氏のショー
21日(日)には、歌手・作曲家・音楽プロデューサー・ボイストレーナー・合唱指揮者であるミシェリ・コスタ・ダミアン・アキヤマ氏のショーも予定されている。彼女は11歳でステージデビューを果たし、プロとしての道を歩み始めた。
エリス・レジーナやトム・ジョビンの影響を受け、サンパウロ大学(USP)で声楽を学んだ経験を持ち、現在は日本を拠点に活動している。
また、教師かつ振付師であるサンドラ・マツモト氏による公演も予定されている。
日本在住の彼女は、衝撃吸収ブーツを用いた新しいダンススタイル「Sky JUMP」を生み出した人物である。
このパフォーマンスは日本各地に広がり、インストラクターの数も増えている。レパートリーには、カーニバルやフェスタ・ジュニーナ(6月に開催される踊りや伝統料理を伴う祭り)など、ブラジルの民俗文化も組み込まれている。
環境に配慮したエコロジーサーフボードのシェイパー

写真:ApexBrasil
エコロジー系アーティストの参加、本イベントでは、環境に配慮した制作を行うアーティストの展示も実施された。
その一例が、サーフボードのシェイパー・製作者であるロドリゴ・マツダ氏である。
彼は20年間にわたり活動を続けており、呼吸器系の問題を抱えていたことをきっかけに、従来の発泡スチロールや樹脂を使用しない木製サーフボードの制作を始めた。京都在住の彼は、サーフボードにスギを使用している。
「本来廃棄されるような木の樹皮を山のクマがなめるのですが、京都市との共同プロジェクトで、その木材をサーフボード製作に利用しています」と語り、木製ボードは従来よりわずか150~200グラムしか重くないことを明かした。
さらに、建築家で都市計画家のグスタボ・ディシエリ・タナカ氏も持続可能な素材を活用した作品を披露した。
愛知県在住の彼は日本で10年間活動を続けており、今回はシロアリ被害により廃棄予定だったクスノキを再利用したテーブルを展示した。
「私は自然油と水での処理で艶を出し、デザインはバイオ建築の理念通り自然のままです」と強調し、照明器具や椅子などの制作実績もあることを明かした。
プログラム(21日・日曜日、10時~18時)
・アレサンドロ・ダ・シルバによるカポエイラショー
・ミシェリ・コスタによる歌のショー
・サンドラ・マツモトによるダンスショー
予約不要
写真:ApexBrasil