【大阪・関西万博】［39］ブラジル館でリオグランデ・ド・スル州と滋賀県の姉妹提携45周年を祝うイベントを開催

9月26日、ブラジル貿易投資振興庁（ApexBrasil）が運営するブラジル館にて、リオグランデ・ド・スル州と滋賀県の姉妹提携45周年を祝う記念イベントが開催された。
両地域の交流は1980年にはじまり、本イベントは文化・歴史・産業の交流をさらに深めることを目的として実施された。

滋賀県庁職員の荻野大氏は、「11月には県の代表をブラジルに派遣する予定です。万博を通して、これまでの交流の歴史や未来に向けた取り組みを共有し、両県の連携を進めたいと考えています。ブラジル館で近江の茶を紹介したのは、滋賀県が日本ではじめてお茶を栽培し、いまでも生産が盛んな地域だからです」と述べた。

さらに、日本一の湖である琵琶湖についても「滋賀県の飲み水や生活用水はすべて琵琶湖から来ています。使用した水はきれいにして、再び琵琶湖に戻ります。山々での植林活動など森をきれいにすることで、琵琶湖へきれいな水を返すという循環を生み出し、サスティナブルな取り組みを行っています」と語った。

会場では、両地域の交流の歴史を紹介するパネル展示が行われ、332名にのぼる農業研修団や58回・95名以上の技術交流の歩みが紹介された。
また、大画面のスクリーンではリオグランデ・ド・スル州の魅力を伝える映像が上映され、シュラスコやスパークリングワインをはじめ、イタリア・ドイツ・ポルトガルなどヨーロッパ移民の影響を受けた独自の食文化が紹介された。
同州は日本と同様に四季があり、ラフティングやトレッキング、草原地帯「パンパ」での体験など、季節ごとにダイナミックな自然を満喫できるアクティビティが充実している。

「マテ茶×近江の茶」試飲企画

イベントでは、アンケートに回答した先着500名に対し、リオグランデ・ド・スル州を代表するマテ茶と滋賀県の近江茶がふるまわれた。

北海道から家族で万博を訪れた下川直也氏は、会場で初めてマテ茶を口にし、「名前は聞いたことがあったが、これまで意識して飲む機会はなかった。緑茶のような濃さがなく、すっきりとした味わいでとても飲みやすい」と感想を述べた。

台湾から来場したゾエ・サイ（Zoe Sai）氏は、「緑茶は苦いという印象を持っていたが、近江のお茶は苦みが抑えられており、想像以上に飲みやすかった」とコメントし、緑茶への印象が変わったことを明かした。

リオグランデ・ド・スル州

リオグランデ・ド・スル州はブラジル国内でも農業が盛んな地域であり、米・葉たばこ・小麦の生産および輸出で国内第1位を誇る。
州内には80社のアグリテック企業が拠点を構え、農業の生産チェーン全体で革新が進められている。

工業分野でも国内最大級の生産能力を有し、19のテクノロジーパークや40の科学技術研究機関を基盤に、産業全体にわたるイノベーションが展開されている。
グリーン水素の開発にも注力しており、2040年までに州のGDPに約112億米ドルをもたらし、4万1千人の新規雇用を創出すると見込まれている。

また、多様な文化と豊富な観光資源は国内外から多くの人々を惹きつけている。
国内最大の湖「パトス湖」や全長754kmに及ぶ港湾など、自然と経済の両面で恵まれた地理的条件を有し、国内第2の重要な港湾を抱える。
充実した教育基盤も州の強みであり、公立・私立ともに国内トップレベルの大学が多く存在する。
その豊かさは州民の生活の質にも表れており、ブラジルで3番目に安全な州とされている。

滋賀県

日本のほぼ中央に位置する滋賀県は、日本最大の湖・琵琶湖を有することで知られている。
琵琶湖は県全体の面積の6分の1を占め、水資源としての重要性だけでなく、湖畔の景観やウォータースポーツといった観光資源としても広く親しまれている。

歴史的にも重要な地域であり、世界遺産の延暦寺をはじめ、彦根城や近江八幡の町並みなど、歴史と文化を感じる名所が数多く残されている。
また、「近江茶」「近江牛」「近江酒」「近江米」など独自のブランドを持つ食文化も魅力の一つである。