2/5(木)開催 駐日ブラジル大使館で考える、なぜ若者はブラジルを目指すのか

「ブラジルに行くと、人生の選択肢が増える」
そう語る人は少なくない。
けれど、それは観光や短期滞在の話ではない。異なる言語、異なる価値観、異なるスピードで流れる都市に身を置き、生活し、働き、悩み、考え抜いた先に立ち現れてくるものだ。

2026年2月5日、駐日ブラジル大使館で開催中の展覧会『Confluence Tokyo–São Paulo』の関連プログラムとして、JBAC主催のトークイベント
「なぜ若者はブラジルを目指すのか? サンパウロで過ごした1年と、現在の仕事・アート」
が開催される。

登壇するのは、写真、建築、地域実践という異なる分野で活動しながら、共通してブラジル・サンパウロでの長期滞在経験を持つ3人。
写真家の渋谷敦志、建築家の藤井勇人、そしてWork Design Lab和歌山の村上裕美子だ。

サンパウロという「選択を迫られる都市」

巨大で、矛盾に満ち、常に変化し続けるサンパウロ。
豊かさと貧困、秩序と混沌、創造と暴力が同時に存在するこの都市は、滞在者に容赦なく問いを投げかけてくる。

渋谷敦志がサンパウロに渡ったのは、まだ学生だった1990年代半ば。
法律事務所で働きながら街を歩き、カメラを手に人と向き合う中で、「写真とは何か」「自分は何を見るのか」という問いが形を持ちはじめた。
のちに国境なき医師団のフォトジャーナリスト賞を受賞し、アフリカ取材へとつながるその原点に、サンパウロでの時間がある。

藤井勇人は、リオ・デ・ジャネイロで多感な時期を過ごしたことをきっかけに、ブラジルへと引き寄せられた一人だ。
サンパウロ近郊の市役所職員として、ファヴェーラの住民とともに家づくりを学ぶ経験は、「建築は図面の上だけで完結しない」という実感を彼に刻み込んだ。
その後もブラジルに軸足を置き、現在は隈研吾建築都市設計事務所のブラジル代表として活動する。

村上裕美子がブラジルで過ごした20代は、キャリア観そのものを揺さぶる時間だったという。
多様性に寛容な社会、自律的な働き方、挑戦に対する許容度の高さ。
日本に戻ってからの仕事──都市と地域を越境する働き方の実践や、サステナビリティを軸とした地域連携──の根底には、ブラジルで得た価値観が息づいている。

語られるのは、異国で暮らすなかで出会った人々、価値観の衝突、そして「自分はどう生きるのか」という切実な問いだ。
サンパウロは、答えを与えてくれる都市ではない。
けれど、問いを深め、選択肢を増やしてくれる都市ではある。
写真、建築、地域実践。異なる表現と実践の現場を生きる3人のクロストークから浮かび上がるのは、「若者がブラジルを目指す理由」そのものというよりも、なぜ人は越境し、戻り、また別の場所で生き直すのかという普遍的なテーマだろう。

進路に迷っている人。
働き方に違和感を覚えている人。
あるいは、ブラジルという国に漠然と惹かれてきた人へ。
この90分は、サンパウロという都市を通して、自分自身の現在地を見つめ直す時間になるはずだ。

登壇者

渋谷敦志|写真家
1975年大阪府生まれ。サンパウロ滞在をきっかけに写真家としての道を歩み始め、国境なき医師団フォトジャーナリスト賞受賞後、世界各地で取材を行う。著書『まなざしが出会う場所へ——越境する写真家として生きる』。

藤井勇人|建築家
サンパウロ近郊のファヴェーラでの実践を経て、ブラジルを拠点に建築と都市に関わり続ける。現行のブラジル国認定建築士として唯一の日本人。

村上裕美子|Work Design Lab和歌山
20代をブラジルで過ごし、都市と地域、国境を越える働き方を実践。日本とブラジルをリモートでつなぐ新しい仕事のかたちを模索している。

イベント概要


なぜ若者はブラジルを目指すのか?
サンパウロで過ごした1年と、現在の仕事・アート
日時:2026年2月5日(木)10:00–11:30
会場:駐日ブラジル大使館 オーディトリアム
(東京都港区北青山2-11-12)
言語:日本語
主催:JBAC
申込:https://tinyurl.com/bddy3xef
問い合わせ:info@jbartc.com

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